地域に開かれてきた温もりを胸に、未来へ向けてより開かれた場所へ

 何世代もの命の誕生とご家族の歴史に寄り添い続ける、産婦人科クリニックのトータルリニューアル

01. 背景と課題

受け継がれてきた親しみやすさを糧に、さらに心地よくひらかれた空間へ

福岡県小郡市にて、自身が生まれた場所で出産のときを迎えるお母さんも多いほど、長年にわたり地域に温かく開かれてきた「松隈産婦人科クリニック」。世代交代という前向きな節目を捉え、先代が築き上げてきた地域からの深い信頼と温かな雰囲気を大切に継承しながら、さらに時代の空気感に寄り添うデザインへのアップデートが求められました。地域の安心感の拠点として長年親しまれてきた存在感を尊重しつつ、新たな世代の患者様やご家族にとっても「より親しみやすく、心地よい場所」と感じていただけるようなブランド像の構築が課題となりました。

02. 思考と検証

長年愛されてきた文脈を力に変え、多角的な提案で新たな可能性を拓く

地域との豊かな繋がりをベースに、どのように“さらなる開かれた姿”を可視化するかを検証しました。母子が連なったシルエットや、松とクマを並べたアイコン、新旧院長を並べた親しみあるイラスト案やタッチの検証など、多角的なアイデアを提示。さらに、今後の院内での広がりのイメージを共有するための自主的なツール展開案も重ねました。試行錯誤の末、医院の象徴として親しまれてきた「クマ」を活かしつつ、口元に「松」のシルエットを落とし込むという、歴史と想いがひとつに合わさったキャラクター表現へと着地しました。

03. コアの発見

口元に「松」を秘めたクマの表現と、甘さを抑えた大人のタイポグラフィ

シンボル&キャラクター:
クマの顔の口元を「松」のシルエットで表現。長年親しまれてきたクマの存在感と「松隈」の文脈を自然に融合させ、可愛くなりすぎず大人も愛着と親しみを持てる象徴的なアイデンティティを確立しました。

タイポグラフィ:
院内サインでの使用も見据え、オリジナルの丸ゴシック体を設計。キャラクターの柔らかさに寄り添いつつも、甘くなりすぎないようデフォルメを抑え、少し長体気味のすっきりとした美しい大人の印象に仕上げています。

カラーリング:
クマのイメージである黒や茶色に負けず、医療機関としての誠実さやクリーンな印象を保つ「濃紺」をメインカラーに選定。クリニックの歴史の中で大切にされてきた「ピンク」を差し色として継承し、引き締まったトーンの中に温かみを添えました。

04. 各種展開

新しいコミュニケーションを生み出し、愛されるブランドへ

完成したアイデンティティは、診察券や各種院内ツールへと順次展開。「あのくまちゃんのところに行こう」と子どもに語りかけたり、新院長のお人柄を重ね合わせたりと、地域の中で新しいコミュニケーションが生まれています。地域に永く愛されてきた病院として、よりひらかれた未来へ向けて、患者様とクリニックをつなぐ心地よいブランド体験を届けています。