五感を解き放ち、未知なる感覚へと身を委ねる
体験の本質を抽象化させたプライベートサウナのブランディングを担当しました。
01. 背景と課題
「Sauna」という限定的な記号を削ぎ落とし、付加価値を最大化する
「五感を解き放つサウナ体験と付加価値を最大化する体験の場」をコンセプトに掲げる本プロジェクト。「Sauna」という既存のネーミングは施設を機能的に定義しすぎてしまい、体験の広がりや未知の価値を固定化してしまう課題がありました。サウナだけに捉われない多角的な体験の場として認知させるため、あえて「Sauna」を添えずに「U」という一文字へ集約。体験しないと何かわからない「Unknown(未知)」の深みを持つブランドアイデンティティの創出を目指しました。
02. 思考と検証
概念的すぎる「感覚や空間のゆらぎ」をいかに視覚言語へ落とし込むか
熱気、冷たさ、湿度、風——目に見えない「五感」や、身体が徐々に整っていく「感覚の変化」をいかに具象表現(サウナや波などの記号)を避けて描くかが最大の課題でした。線の歪み、極細のライン、水滴など様々なエレメントを用いて、抽象性と物語性が両立する造形を繰り返し検証しました。

03. コアの発見
滴る雫が描く「U」のシルエットと、五感を映すマテリアルカラー
エンブレム&シンボル:
水滴が滴る瞬間のディテールに着目。滴りの層(コマ送り)が「U」のシルエットを描き、体験が深まるにつれゆらぎが均一な一本線へと整っていくグラフィック構造の中にデザインの核を発見・固定化しました。
タイポグラフィ:
シンボルの繊細な直線と呼応するよう、極細のモノラインで組み上げたオリジナルのカタカナ表記「ユー」を添え、ミニマルでありながらどこかミステリアスな佇まいを与えています。
カラーリング(カラーパレット):
自然や建築素材と調和する「緑」の色を規定し、サブカラーには熱気や時間の深まりを感じさせる赤みを帯びた「銅色」や「炭」湧き水の「水」「木」や「琥珀」を設定。五感を刺激する質感のある世界観を構成しました。


04. 各種展開
空間の静寂に溶け込み、未知なる体験を静かに高めるグラフィック展開
削ぎ落とされた幾何学と銅色・焼き杉の色調を軸に、名刺、ショップカード、オープニングポスターを制作。情報量を極限まで削ぎ落とした静謐なポスターは、施設の全容をあえて語りすぎないことで未知なる体験への期待感を高めるシグナルとして機能させています。「言葉で説明しすぎない」一貫したビジュアル展開により、訪れる人が自らの五感と向き合うための美しい世界観を確立しました。



